• メディア

テレビCM制作のすべて!CM制作の流れ・期間・ポイントを解説

  • #テレビCM
  • #ブランディング
情報接触が多様化する現代でも、テレビCMはその影響力において、強力なマーケティングツールとしての地位を確立しています。ただし、その効果を最大限に引き出すには、高度な専門知識と経験が不可欠です。視聴者の心に響くCM制作には、ターゲットの心理を深く理解し、共感を呼ぶストーリー、印象的なビジュアル、記憶に残るサウンドなど緻密なクリエイティブ設計が求められます。 また、最適な出稿枠の選定や効果測定、データ分析に基づく戦略改善も、費用対効果を高める上で重要です。
本記事では、テレビCM制作の全体像を把握できるよう、制作の流れ・期間、ポイントを詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!

1. 効果を最大化する、テレビCMの”クリエイティブ”の力

1) 記憶に残るCMによって購買行動に直結

記憶に残るクリエイティブは、視聴者の興味・関心を高め、購買意欲を喚起します。印象的な映像や音楽、共感できるストーリーを用いることで視聴者の記憶に深く刻まれ、商品やブランドへの好意的な感情を育み、購買行動やブランド選択に大きな影響を及ぼします。

2) 共感性を高めることでブランド価値が向上

競争の激しい市場で独自のポジションを築くには、消費者のニーズや社会文脈を捉え、共感されるメッセージを届けることが重要です。ブランド・商品・サービス内容の独自価値を訴求するためのメッセージ開発を行い、信頼性の高いテレビCMによって発信することで、ブランドイメージやブランド価値の向上にもつながります。

3) 質の高いクリエイティブで投資対効果を最大化

テレビCMは制作・放送費用が高額になる傾向があるため、クリエイティブの質が低いと投資対効果を感じられない可能性があります。そのため、ターゲットのニーズや嗜好を的確に捉えた質の高いクリエイティブを制作することで、少ない露出回数でも大きな効果を生み出し、投資対効果を最大化することが重要です。

2. テレビCM制作の流れ・期間・ポイント

テレビCMの制作は、いくつかの段階を経て完成します。各工程で生じる可能性のある課題やリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることで、スムーズかつ効果的なCM制作が可能になります。大まかな流れは以下の通りです。

1) ブリーフィング(オリエンテーション):数週間

CM制作の最初のステップとして、広告主が広告代理店(制作会社)に対して、CM制作の目的(企業ブランディング、商品認知など)や背景、ターゲット、伝えたいメッセージなどを共有し、制作の方向性を明確化するブリーフィングオリエンテーション)を行います。

ポイント:ターゲット層や訴求したい内容以外に、期待する効果、予算、納期の希望についてもこのタイミングで確認しておくことが重要です。これらの情報をもとにCMの具体的な方向性を検討するため、広告主・広告代理店・制作会社の間で認識のズレが生じないよう、しっかりと意見をすり合わせましょう。

2) 企画構成~コンテ制作~キャスティング:数週間~1ヵ月程度

ブリーフィングで話し合った内容をもとにCMの企画構成を行い、採用された企画に基づいて絵コンテを作成します。また、同タイミングで、CMのコンセプトやターゲット層に適した人物をキャスティングします。
構成はCMの骨組みとなる要素を整理したものであり、絵コンテや演出コンテは、CMの構成や流れをイラストで示したもので、ナレーションや台詞、音楽や効果音の他に、登場人物の動きや位置を視覚的に表現し、台本の役割も果たします。
この工程を通じて具体的な映像イメージが明確になるため、意見交換をしながら理想の形へと仕上げていきましょう。

ポイント:撮影開始後の企画変更は困難なため、広告主・広告代理店・制作会社の間でイメージにズレがないよう細部まで確認を行いましょう。なお、有名タレントをキャスティングする場合や著作権などの権利問題については、予算の制約・緻密なスケジュール管理・事前の許諾申請などが必要となるため、余裕を持った確認・調整を行うことが重要です。

3) 撮影準備~撮影:2週間程度

撮影前の最終確認としてPPM(Pre Production Meeting)を実施します。PPMとは、企画構成・演出プラン・キャスト・衣装・メイク・美術・撮影場所などについて、広告主・広告会社・制作会社のスタッフが撮影前に最終確認を行うミーティングのことです。
撮影は、スタジオ撮影・ロケセット撮影(屋内)、ロケーション撮影(屋外)など複数の方法があり、撮影自体は1日から1週間程度で終わるケースが多いでしょう。
なお、撮影に応じて、撮影場所の申請や許可の取得、タレントスケジュールや屋外撮影時の天候不備による撮影予備日の調整など入念な準備が必要となります。

ポイント:撮影はコンテに沿って進行しますが、現場での判断が求められる場面も少なくありません。リスケジュールや撮り直しもできないため、撮影当日は現場に同行し、演出やイメージの相違がないか確認を行いましょう。

4) 編集・調整作業:2週間~1ヵ月程度

編集は、撮影した素材を構成やコンテに従って映像を仕上げていく工程で、主に仮編集と本編集があります。

  • 仮編集:撮影した映像や素材をつなぎ合わせ、CM全体の流れを確認するための大まかな編集工程です。映像選定やリズム・テンポの調整、ナレーションや効果音の仮設定などを行い、ストーリーや構成の大枠を固めることが目的となります。
  • 編集:カットのつなぎ目や色補正、ナレーションやテロップ、音楽や効果音など、映像の最終調整を行う工程です。広告主と共に確認を行い、必要に応じて変更・修正を経た後にCMは正式に完成し、放送・配信の準備に入ります、

ポイント:本編集後に「やっぱりこうしたかった」とならないよう、絵コンテや仮編集の段階でイメージや要望を明確に伝え、必要に応じて修正を行いましょう。本編集後の修正は基本的にできないため、入念な確認が必要となります。

5) 考査:数週間~1.5ヵ月程度

考査とは、CMの内容が放送基準に適合しているかを確認する審査です。民放連自主基準に基づき、各テレビ局もしくは専門の考査会社によって2つの観点から審査が行われます。

  • 業態考査:主に、広告主となる企業の健全性や信頼性を確認するプロセスです。テレビCMの放映にあたり、広告主の業態(事業概要)・商品(商品概要)・商法(販売方法)が適しているかどうかを判断することが目的となっています。
  • 表現考査:CM動画として放送される素材について、放送倫理に反していないか、法令や放送基準などを守っているかを審査するプロセスです。例えば、「完全」「No.1」のような根拠のない最大級表現、虚偽・誇大表現、他社製品を批判する表現、人権侵害や視聴者に不快感を与える表現、医薬品・医薬部外品などで薬事法や健康増進法に違反する可能性があるもの、などは素材考査が通りません。

ポイント:考査の基準・判断はテレビ局によって異なるため、テレビ局ごとに考査を行う必要があります。絵コンテや企画コンテ、仮編集の状態で都度考査を行うことで安心して制作を進めることができるでしょう。

6) 出稿

テレビCMを放送する際は、ただ流せば良いというわけではありません。予算を最大限に活かし効果を上げるために、いつ(期間)、どこで(時間帯・放送局)、だれに(ターゲット層)、どのように(手段)の要素を具体的に定義し、戦略的な出稿計画を立てることが重要です。

ポイント:全国放送か特定の地域による放送か、15秒CMか30秒CMか、タイムCMかスポットCMかなど、様々な選択肢の中から、予算や目的に合わせた最適な組み合わせを選びましょう。

7) 効果測定

テレビCMの効果測定は、視聴者の購買行動プロセスである「認知」「興味」「検討」「行動」の4段階に分け、各段階に適切な指標を用いることが重要です。具体的には、認知段階ではブランド認知度の変化を測るブランドリフト調査、興味段階では商品やサービスへの関心度を測る態度変容調査や指名検索数の分析、検討段階ではWebサイトへのアクセス数や資料請求数の変化、行動段階では実際の購買数や問い合わせ数といったビジネス指標を追跡します。

ポイント:各段階の目的に合わせ、KPI(重要業績評価指標)を設計しましょう。計測手法も段階ごとに異なるため、事前に綿密な計測設計を行い、得られたデータを分析してPDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることが重要です。

ポイントまとめ

テレビCMの企画・制作・出稿は、多くの工程と専門知識が必要となるため、事前の準備が重要です。特に、大規模なキャンペーンや年末年始などの特定の時期にCM放送を予定している場合は、余裕を持ったスケジュールで進めるようにしましょう。
なお、テレビ局のCM放送基準は厳しいため表現規制への対応が求められます。そのため、CM考査の審査期間を考慮し、専門家である広告代理店に相談しながら進めることをおすすめします。

「テレシー」は本記事でご紹介したポイントを踏まえ、クライアント企業の課題に対して、運用型テレビCMを軸とした統合的なマーケティング・コミュニケーションサービスを提供しています。戦略策定からCMクリエイティブの企画制作、メディアプラニング、効果分析まで一気通貫して、クライアント企業に伴走し事業成長に貢献します。

資料請求

運用型テレビCMを軸とした、テレシーが提供する統合コミュニケーションサービスに関する概要資料です。
その他、提供しているソリューションについても紹介しています。

お問い合わせ

多様な支援実績のあるビジネスプロデューサーが、お客様のコミュニケーション課題や事業課題についてヒアリングをし、最適なソリューションを提案いたします。

採用情報

テレシーのビジョン、4 Spritsに共感し、一緒に広告業界を変えていく仲間を募集しています。