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ブランドを強くするテレビCM!統一クリエイティブと世界観の重要性

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近年、多様なメディアが存在する中でも、テレビCMは依然として強力なリーチ力と影響力を持つマーケティング手法です。しかし、ただCMを放映するだけでは、期待する効果は得られません。特に、ブランドの認知向上や顧客ロイヤリティの醸成を目指すには、「CMに統一感を持たせること」が極めて重要になります。
本記事では、テレビCMにおけるブランドの世界観の重要性から、統一感のあるCMを制作するためのポイント、さらに効果測定、その戦略と秘訣を詳しく解説します。

1. テレビCMにおけるブランドの世界観とは?

テレビCMにおける「ブランドの世界観」とは、そのブランドが持つ独自の価値観、個性、イメージ、そして顧客に提供したい体験を、CMを通じて一貫して表現することです。単に製品やサービスを説明するだけでなく、ブランド独自のアイデンティティを伝えることで、視聴者の心に深く刻み込み、共感を呼び起こすことを目指します。

なぜブランドの世界観が重要なのか

ブランドの世界観をテレビCMで一貫して表現することは、以下のような多岐にわたるメリットをもたらします。

  • 認知度の向上と記憶への定着: 統一されたメッセージとトーンは、視聴者に強い印象を与え、ブランドを記憶に残りやすくします。何度も同じ世界観に触れることで、無意識のうちにブランドが定着していきます。
  • ブランドイメージの構築と強化: どのような企業で、どのような価値を提供しているのか、というブランドイメージが明確になります。ポジティブなイメージを構築することで、顧客からの信頼や好意を獲得しやすくなります。
  • 競合他社との差別化: 独自のブランドの世界観を確立することで、競合他社との差別化を図ることができます。単なる価格競争に陥ることなく、ブランド独自の価値で選ばれる存在となる可能性を高めます。
  • 顧客ロイヤルティの醸成: ブランドの世界観に共感する顧客は、単なる製品購入者にとどまらず、ブランドのファンとなり、長期的な関係性を築きやすくなります。
  • 広告効果の最大化: 一貫性のあるCMは、視聴者に混乱を与えることなく、伝えたいメッセージがスムーズに伝わります。これにより、広告効果を最大化し、費用対効果の向上にもつながります。

統一感のないCMがもたらすリスク

一方で、CMに統一感がない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • ブランドイメージの希薄化・混乱: CMごとにメッセージやトーンが異なると、視聴者は「結局このブランドは何を伝えたいのか」が分からなくなり、ブランドイメージが曖昧になってしまいます。
  • 広告効果の低下: 統一感がないCMは、個々のCMのインパクトが弱まり、全体の広告効果が低下する可能性があります。結果として、投下した費用に対するリターンが低くなることも考えられます。
  • 機会損失の発生: 視聴者にブランドが認識されにくくなることで、潜在顧客を逃す機会損失につながる可能性があります。

これらのリスクを回避し、テレビCMの効果を最大限に引き出すためには、戦略的にブランドの世界観をCMに落とし込み、統一感を持たせることが不可欠です。

2. ブランドの世界観を確立するための3つのステップ

では、具体的にどのようにブランドの世界観を確立し、CMに反映させていけば良いのでしょうか。ここでは、そのための3つのステップをご紹介します。

ステップ①:ブランドの核となる要素を明確にする

まずは、自社のブランドが何を大切にし、どのような存在でありたいのかを深く掘り下げて明確にする必要があります。

  • MVV(MISSION/VISION/VALUE): 企業、サービス、商品が社会に何を貢献したいのか(ミッション)、将来どのような姿を目指すのか(ビジョン)、そしてそのためにどのような価値観を大切にするのか(バリュー)を明確にします。これらは、ブランドの世界観の根幹をなす要素です。
  • ブランドパーソナリティ: ブランドがどのようなキャラクター性を持つのか、その「性格」や「コミュニケーションスタイル」を言語化します。親しみやすい、革新的、信頼できる、といった具体的な言葉で表現してみましょう。
  • ブランドストーリー: ブランドが生まれた背景や、これまでの道のり、お客様とのエピソードなど、ブランドにまつわるストーリーは、感情的な共感を生み出す上で非常に有効です。

これらの要素を言語化し明確にすることで、ブランドが持つ独自の個性や魅力が浮かび上がり、CM制作の指針となります。

ステップ②:ターゲットオーディエンスを深く理解する

次に、CMを届けたいターゲットオーディエンスを深く理解することが重要です。彼らのニーズ、課題、興味関心、価値観、ライフスタイルなどを詳細に分析します。

  • デモグラフィック情報: 年齢、性別、居住地、職業、収入など基本的な情報を把握します。
  • サイコグラフィック情報: 価値観、ライフスタイル、興味、行動パターンなど、内面的な情報を探ります。
  • ペルソナ設定: ターゲットオーディエンスの中から代表的な人物像を具体的に設定し、まるで実在する人物のように描写します。

ターゲットオーディエンスを深く理解することで、彼らがどのようなメッセージに響き、どのような表現が心に届くのかを予測し、効果的なCM戦略を立てることが可能になります。

ステップ③:一貫性のあるメッセージと表現を定める

ブランドの核となる要素とターゲットオーディエンスの理解に基づき、CMで伝えるべき「一貫性のあるメッセージ」と、それを表現するための「視覚・聴覚的な要素」を定めます。

  • キーメッセージ: CMを通じて最も伝えたいことを、シンプルかつ印象的な言葉で表現します。このメッセージは、すべてのCMで共通の軸となるものです。
  • トーン&マナー: CM全体の雰囲気や調子を決定します。明るく楽しい、真面目で信頼感がある、クールで洗練されている、など、ブランドパーソナリティに合わせたトーン&マナーを設定します。
  • ビジュアル要素のガイドライン: 使用する色、フォント、ロゴの配置、グラフィックデザイン、映像のテイストなど、視覚的な要素に関するガイドラインを策定します。
  • オーディオ要素のガイドライン: 使用するBGM、効果音、ナレーションのトーン、サウンドロゴなど、聴覚的な要素に関するガイドラインを策定します。

これらのガイドラインを定めることで、制作するすべてのCMにおいて、ブランドの世界観がブレることなく、一貫した表現が可能になります。

3. テレビCMに統一感を持たせる具体的なポイント

ブランドの世界観を明確にし、ターゲットを理解した上で、CMに統一感を持たせるための具体的なポイントをご紹介します。

ポイント①:クリエイティブの要素に一貫性を持たせる

CMのクリエイティブ要素全体にわたる一貫性は、ブランドの世界観を視聴者に伝える上で最も重要です。
例えば、企業ロゴやウェブサイトで使用しているブランドカラーやフォントをCMにも積極的に採用することで、視覚的な統一感を生み出すことが可能です。
また、映像全体のビジュアルトーンや演出にも気を配るべきでしょう。明るさやコントラスト、映像の動き方、撮影アングルなどを統一することで、ブランドの世界観を視覚的に表現できます。例えば、常に暖色系の色彩で優しい雰囲気を作る、あるいはシャープな動きとモノトーンでスタイリッシュさを表現するなど、ブランドイメージに合わせた一貫したスタイルを確立します。
さらに、特定の登場人物やキャラクターを継続的に登場させることは、視聴者に親近感を与え、ブランドの象徴として認識されやすくなる効果が期待できます。
そして、商品やサービスの見せ方においても一貫性を持たせることで、どのようにすれば最も魅力的に映るのか、アングル、光の当たり方、シチュエーションなどを統一し、ブランドの「らしさ」を際立たせる工夫が求められます。

ポイント②:サウンドロゴやサウンドエフェクトの活用

視覚だけでなく、聴覚からも統一感を持たせることは、ブランドの記憶定着に非常に効果的です。
特に、短く印象的なメロディやフレーズをCMの最後に繰り返し使用するサウンドロゴは、耳に残るブランドイメージを構築する上で欠かせません。
同様に、ブランドイメージを象徴するような特定の効果音を繰り返し使用することで、視聴者に無意識のうちにブランドを想起させる効果も期待できます。
また、ナレーションのトーンも重要な要素です。ナレーターの声質や話し方のトーンを統一することで、ブランドが持つ信頼性や親しみやすさなど、意図するブランドパーソナリティを聴覚的に表現することができます。

ポイント③:ストーリーテリングと感情への訴求

CMは単なる情報伝達のツールではなく、視聴者の感情に訴えかけるストーリーテリングの場でもあります。
シリーズCMなどで、一貫したストーリーラインやメッセージを継続的に展開することは、視聴者がブランドの世界観に深く没入しやすくなることに繋がります。これにより、単なる製品の機能紹介に留まらず、ブランドが提供する価値や体験への共感を促します。
さらに、ターゲットオーディエンスの共感を呼ぶような感情表現やシチュエーションをCMに取り入れることで、視聴者はブランドをより身近に感じ、愛着を深める効果が期待できます。

ポイント④:長期的な視点でのCM展開

単発のCMで終わらせるのではなく、長期的な視点に立ってCMを展開することが、ブランドの世界観を確立し、統一感を維持する上で非常に重要です。
同じキャラクターやテーマを継続して使用するシリーズCMは、視聴者の記憶に残りやすく、ブランドの世界観を徐々に深化させる効果があります。これにより、視聴者はブランドの成長や変化を共有し、より強い絆を感じる可能性が高まります。
また、テレビCMだけでなく、ウェブ広告、SNS、イベントなど、他のマーケティング施策とも連動させ、キャンペーン全体で一貫したブランドメッセージを発信することが不可欠です。これにより、タッチポイントごとにブランドイメージがぶれることなく、多角的にブランドの世界観を浸透させることが可能になります。

4. テレシーアナリティクスを活用した効果測定とPDCAサイクル

CMに統一感を持たせ、ブランドの世界観を構築することは、効果測定とPDCAサイクルを通じて、さらにその効果を高めることができます。テレビCMは放映して終わりではありません。放映後の効果を測定し、改善を繰り返すことで、より成果につながる運用が可能になります。

テレビCMの効果測定は、単に「視聴率が高かった」「リーチ数が多かった」といった指標に留まらず、CMがビジネス成果にどう貢献しているかを可視化することが重要です。効果測定を行うことで、例えば、どのCMが、どの放送局で、どの時間帯に、どのようなターゲットに、最も効果的であったかを把握できます。これにより、広告費の最適化を図り、より費用対効果の高いCM出稿が可能になります。また、CMの効果を具体的なデータで分析することは、より響くクリエイティブや、より効果的なメッセージを導き出す上でも不可欠です。さらに、CMの効果を他のマーケティング施策と連携して分析することで、統合的なマーケティング戦略の立案にも役立てることができます。

「テレシーアナリティクス」は、広告主の目的に応じた独自の2つの分析手法を駆使し、膨大なデータを精緻に分析します。これにより、放送局や放映エリア、放映時間、番組、さらにクリエイティブごとの効果を定量的に測定でき、各要素における広告効果を詳細に把握することが可能です。このようにして得られたデータを活用し、テレビCMのPDCAサイクルを効率的に回し、広告効果を最大化するための戦略立案・実行が可能となります。

参考:テレビCMの効果測定指標・方法とは?最新の手法とPDCAサイクルを解説 - テレシー(TELECY) - 運用型テレビCMを軸として総合コミュニケーションサービスを提供

テレビCMは、単なる広告の枠を超え、ブランドの世界観を構築し、視聴者の心に深く刻み込む強力なツールです。本記事では、CMで統一感を持たせるポイントとブランドの世界観の重要性について解説しました。

「テレシー」は本記事でご紹介したポイントを踏まえ、クライアント企業の課題に対して、運用型テレビCMを軸とした統合的なマーケティング・コミュニケーションサービスを提供しています。戦略策定からCMクリエイティブの企画制作、メディアプラニング、効果分析まで一気通貫して、クライアント企業に伴走し事業成長に貢献します。

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