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キー局とローカル局の違いとは?効果的な出稿戦略などを分かりやすく解説

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「キー局とローカル局、何が違うの?」テレビCMの活用を検討している方は、まずこの疑問からスタートするでしょう。この記事では、一般的なテレビ局の放送エリアの区分けや特長、キー局とローカル局のそれぞれの出稿メリット、テレビCMの効果的な出稿戦略の立て方や効果分析方法を分かりやすく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!

1.キー局・ローカル局とは?

1)キー局・ローカル局などのテレビ局の放送エリア

テレビCMを成功させるためには、出稿先のテレビ局の種類とそれぞれの特性を深く理解することが重要です。一般的に「キー局」や「ローカル局」といった言葉を耳にしますが、実際には「準キー局」や「独立局」といった分類も存在します。テレビCMの出稿を検討する上で知っておきたい、これら4種類の放送局について、その役割と特長を分かりやすく解説します。

キー局=全国を網羅するネットワークの中心

キー局は、放送局の中心となるテレビ局を指し、同じネットワーク系列であるローカル局に番組を発信していることから「キー局」と呼ばれています。
具体的には、「日本テレビ」」「TBSテレビ」「フジテレビ」「テレビ朝日」「テレビ東京」の5局があり、本社がすべて東京都にあることから「在京キー局」とも呼ばれています。
キー局は関東1都6県を主な放送エリアとしています。その中で、独自に番組の制作、編成、放送を主導し、全国のテレビネットワークを統括する役割を担っています。

ローカル局=地域に根ざした密着型のテレビ局

ローカル局は、特定の地域ごとに放送エリアを持つテレビ局を指し、基本的にはキー局、準キー局を除く地方の局を「ローカル局」、または「地方ローカル局」と呼びます。
日本全国に存在する各ローカル局は、キー局のネットワークに属しています。そのため、基本的に同じネットワーク系列のキー局で制作された番組を中心に放送しているのが特長です。
このように、キー局のネットワーク系列としてローカル局が存在することで、全国どこにいても同じ人気のドラマやニュース番組を視聴することが可能になります。

準キー局=キー局に次ぐ役割を担うテレビ局

準キー局は、キー局に準ずるテレビ局を指し、系列局に番組を放送していることから「準キー局」と呼ばれています。
大阪府に本社を置く在阪広域4局(読売テレビ・毎日放送・関西テレビ・朝日放送)と、県域局であるテレビ大阪を加え「在阪準キー局」とも表現されます。
さらに、愛知県に本社を置く在名広域4局(中京テレビ・中部日本放送・東海テレビ・メ~テレ)と、県域局であるテレビ愛知も全国で放送される番組を多く制作していることから準キー局に含められることもあります。
キー局に次いで全国ネットの番組の制作を行っており、制作した番組を同じネットワーク系列のローカル局に発信しています。

独立局=特定地域向けの独自編成局

独立局とは、特定のネットワーク系列に属さないテレビ局のことを指し、アナログ放送時代にUHF帯で放送を行っていたため、「独立UHF局」を略して「独立U局」と呼ばれることもあります。
独立局は全国に13局存在し、全国独立放送協議会という団体に所属しており、特定の都道府県など比較的狭い地域を放送エリアとしています
ネットワーク系列に縛られないため、番組編成の自由度が高いのが特長です。そのため、地域に密着したニュースや生活情報、バラエティ番組などの自社制作番組を多く放送しています。

2)キー局・ローカル局、それぞれの出稿メリット

テレビCMの出稿先として一般的に知られているキー局とローカル局は、それぞれが異なる強みを持っています。効果的なCM戦略を構築するためには、これらの独自のメリットをその本質まで理解することが欠かせません。ここでは、それぞれのテレビ局が持つ利点を詳しく解説し、CM出稿を成功に導くポイントを見ていきましょう。

キー局出稿のメリット

キー局でCMを放映する最大のメリットは、多くの人の目に触れる機会が増えることです。CMはタイムCMとスポットCMの2種類があり、それぞれメリットが異なります。
タイムCMの場合は、ネット枠を購入すれば全国放映となり、より多くの視聴者にリーチすることが可能です。スポットCMをキー局で放映する場合、関東広域圏(1都6県)をカバーできます。

特長具体的メリット
高い信頼性とブランドイメージの向上- 企業やブランドに圧倒的な信頼性と権威性をもたらすため、ブランドイメージ向上や商品・サービスへの安心感に直結する
広範囲へのリーチ- 全国の放送ネットワークの中心として機能するため、一度の出稿で広範囲の視聴者にCMを届けられる
集中アプローチ- 関東1都6県を直接の放送エリアとしているため、人口の多い関東圏への効率的なリーチが実現可能

全国放映となると莫大な費用がかかりそうに思えますが、実は必ずしもそうとは限りません。時間帯や番組、CMの長さなどを工夫することで予算を抑えることも可能です。

また、キー局でCMを放映することで、ブランドイメージの向上に繋がるというメリットもあります。キー局は全国ネットの中核であり、そのCM枠に広告を掲載することで、企業の信頼性や認知度を高める効果が期待できます。

ローカル局出稿のメリット

ローカル局でCMを放映するメリットは、特定の地域に絞ったプロモーションが可能になることです。CM放映にかかる費用は、キー局と比較して一般的に安価です。これにより、限られた予算でもテレビCMを活用した広告展開が可能になります。ローカル局の放送エリアは特定の地域に限定されているため、その地域に住むターゲット層にピンポイントで情報を届けられます。

特長具体的メリット
コストを抑えられる- 放映料がキー局と比較して安価なため、限られた予算でもCM出稿が可能
地域に密着したビジネスに効果的- 特定の地域に限定してCMを放映できるため、地域に根ざした店舗やサービスへの集客に効果的- 地方におけるテレビの高い影響力により、地域住民への高いリーチと信頼醸成に寄与
希望するCM枠を確保しやすい- キー局と比較してCM枠の競争率が低く、ターゲット視聴者が視聴する時間帯や番組枠を確保しやすい

ローカル局でのCM放映は、地域におけるブランドイメージ向上や信頼性の構築にも繋がります。地域住民にとって身近なローカル局でCMを見かけることで、企業や商品に対する親近感や安心感が生まれやすくなります。

また、特定の地域に特化したサービスや商品を展開している場合、ローカル局でのCMは最も効率的に潜在顧客にリーチし、来店や購買行動を促進する強力な手段となります。キー局と比較してCM枠の競争率が低い傾向にあるため、希望する時間帯や番組枠を確保しやすいというメリットもあります。

2.テレビCMの効果的な出稿戦略と活用法

テレビCMの出稿戦略は、企業の目的やターゲットによって大きく異なります。先述した通り、テレビCMを効果的に活用するには、キー局とローカル局の特徴を理解し自社の戦略に最適な選択をすることが重要です。

キー局・ローカル局の出稿戦略

項目キー局ローカル局
ターゲット幅広い層(老若男女)特定地域に特化したターゲット層
予算予算に余裕がある場合限られた予算の中で実施する場合

キー局は、全国規模の認知度向上を目指すキャンペーンや、広域展開を行う企業に適しています。一方、ローカル局は、特定の地域で集中的に顧客を獲得したい場合や、地域密着型のビジネスを展開する企業に効果的です。

例えば、全国展開している飲食チェーン店であれば、キー局でCMを放映することで、幅広いターゲット層への認知度向上を図り、新規顧客の獲得につなげられます。一方、地域密着型のスーパーマーケットであれば、ローカル局でCMを放映することで、特定地域の住民への訴求力を高め、来店頻度の向上や売上増加を目指せます。更に、ローカル局CMは、キー局CMと比較して費用を抑えられるため、より柔軟な予算配分で広告展開を実現できるというメリットもあります。

費用対効果を最大化するためには、自社のマーケティング戦略全体との整合性も考慮することが重要です。ターゲット層や予算、そして目指す効果を明確に設定した上で、キー局とローカル局それぞれの特性を理解し、自社のマーケティング戦略に貢献する出稿方法を検討しましょう。

キー局・ローカル局を組み合わせた出稿戦略

効果的なテレビCM戦略の一つが、キー局とローカル局のメリットを組み合わせた戦略です。このように、キー局とローカル局の特性を理解し、自社のマーケティング目標に合わせて柔軟に組み合わせることで、テレビCMの効果を最大化できるでしょう。

項目キー局のみを活用するケースローカル局のみを活用するケースキー局とローカル局を組合せたケース
主な目的- 大々的なブランド認知度向上
- 企業や商品の信頼性・権威性の確立
- 幅広い層へのアプローチ (マス層)
-迅速な話題醸成・拡散
- 地域に特化したプロモーション
- コストを抑えたCM展開- 段階的な市場拡大
- 全国的なブランド認知度向上と特定の地域での購買行動促進の両立
- 効果的なエリア選定による費用対効果の最大化を図る
効果- 圧倒的なリーチ
- ブランド知名度の向上
- 高い信頼感・安心感の付与
- 強力な購買行動促進
- 効率的なターゲットアプローチ
- 地域住民の心をつかむ
- 効果検証と段階的な展開
- 全国規模での広範囲なリーチと、特定の地域における高い訴求力
- ローカル局での詳細な効果検証を通じ、全国展開に向けた戦略を最適化
- 地域での検証結果を活用し、リスクを最小限に抑えた段階的な市場拡大
適したケース- 新商品ローンチ
- 大規模キャンペーン
- 企業ブランディング
- 大規模なセール・イベント
- 戦略的なエリアプロモーション
- 限られた地域でのサービス
- 予算が限られている
- 特定の地域でのテストマーケティング
- 全国的な認知度と特定地域での売上拡大の両立
- 新商品・新サービスの段階的な市場投入
- 地域限定キャンペーン・イベントと全国的プロモーションの連携

3.テレビCM放映におけるプランニングと効果分析

ターゲット層へのリーチと費用対効果の最適化

テレビCMを成功させるには、誰に、いつ、どのようにメッセージを届けるかという緻密な戦略が欠かせません。限られた予算の中で最大限の効果を引き出すためには、以下の点を深く掘り下げて考える必要があります。

まず、CMで何を伝えたいのか、そして誰に届けたいのかを明確にしましょう。単に「若年層」や「主婦」といった大まかなターゲット設定ではなく、年齢、性別、居住地域、ライフスタイル、興味・関心、購買行動まで踏み込んだ具体的なペルソナを設定することが非常に重要です。これにより、メッセージを届けるべき相手がより鮮明になります。

次に、CMの放映時期と期間の最適化を図りましょう。自社の商品やサービスが最も売れる時期や、競合のCM出稿が少ない時期を狙うことで、より高い効果が期待できます。また、ターゲット層の生活リズムに合わせた放映時間を選ぶことも肝心です。たとえば、ファミリー層をターゲットとするならゴールデンタイム、ビジネスパーソンなら朝や夜のニュース番組の前後など、彼らの視聴習慣に合わせた時間帯を選ぶことで、メッセージがより届きやすくなり、費用対効果も向上するでしょう。

テレシーアナリティクスを活用したテレビCMにおけるPDCAサイクル

テレビCMは、単なる広告出稿で終わるものではありません。投下した費用に対する効果を最大化するためには、放映後の効果測定と分析に基づいた改善施策、つまりPDCAサイクルを継続的に回すことが不可欠です。このサイクルを効率的に機能させるには、精度の高いデータとそれを読み解く力が必要とされます。

「テレシーアナリティクス」は、広告主の目的に応じた独自の2つの分析手法を駆使し、膨大なデータを精緻に分析します。これにより、放送局や放映エリア、放映時間、番組、さらにクリエイティブごとの効果を定量的に測定でき、各要素における広告効果を詳細に把握することが可能です。このようにして得られたデータを活用し、テレビCMのPDCAサイクルを効率的に回し、広告効果を最大化するための戦略立案・実行が可能となります。

参考:テレビCMの効果測定指標・方法とは?最新の手法とPDCAサイクルを解説 - テレシー(TELECY) - 運用型テレビCMを軸として総合コミュニケーションサービスを提供

「テレシー」は本記事でご紹介したポイントを踏まえ、クライアント企業の課題に対して、運用型テレビCMを軸とした統合的なマーケティング・コミュニケーションサービスを提供しています。戦略策定からCMクリエイティブの企画制作、メディアプラニング、効果分析まで一気通貫して、クライアント企業に伴走し事業成長に貢献します。

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